ワイルドホーン・メロディーズ(千穐楽)

千穐楽といっても、全3公演の最終公演ですが。
会場では公演プログラムが完売、購入希望者には後日郵送とのことでその申し込みにも長蛇の列。
すごいなぁ、通常公演ではないとはいえ、初めて見た。
最近はプログラムをできるだけ購入しないことにしているのでスルーしましたが、後になってネット上にあまりワイルドホーンの情報が無いことに気づき、買ってもよかったのかなと。

ホリプロ先行予約のおかげで、座席は前から5列目。わーい。
オープニングはオーケストラ演奏のみのワイルドホーンメドレー。
「シラノ」より『我らガスコン』からスタート。テンションが上がります。
指揮の塩田さんは相変わらず元気に跳んでます。ジャンプの最高到達点だけなら市村さんに負けていないのでは。
さすが「塩田さんが指揮のミュージカルは、最前列センターはオケピから飛び出る塩田さんの頭をよけながら観劇しなければならない」と言われるだけのことはあります。

▼本編は、万里生くんの『ボニー&クライド』からスタート。
この作品と『スカーレット・ピンパーネル』は宝塚で観ていてもおかしくない作品なのですが、どちらも未見。
なんだかんだで、ちゃんと観たことがあるワイルドホーン作品は、『ジキル&ハイド』『シラノ』『アリス・イン・ワンダーランド』の3作品だけなんだと改めて気づきました。
それにしても、ワイルドホーンのブロードウェイ上演作品は6作品、日本での上演作品は10作品って、どれだけ日本人はワイルドホーン好きなんだ。

▼第1幕は、出演者が1人ずつ登場し、歌と解説を1セットとして順に進んでいきます。
万里生くん、安蘭さん、濱めぐさんは解説部分を卒なくこなしている感じでしたが、石丸さんの安定感というか余裕っぷりがすごい。
他3人は用意されたものを話してくれた感じで、石丸さんは「知っていることを軽く語ってみましたが何か」という感じ。まぁミュージカルの歴史なんて語らせたらなぁ。
月曜夜にラジオを聴いている気分になりました。

▼とまぁこれで4セット終わったら、次は鹿賀さんと思うじゃないですか。
そして『ジキル&ハイド』のイントロがかかるじゃないですか。オープニングの鹿賀さんの生ナレーションが流れるじゃないですか。
舞台の階段上に人影が現れた瞬間、当然「時が来た……!!!」と思うわけですよ!
そこで石丸さんの歌声が始まったら、いかに石丸さんに恨みはなくとも、石丸さんも好きでも、
崩れ落ちてしかたないじゃないですか。
そしてジキルソロ、アンサンブル曲ときて、またソロ曲がかかったら「今度こそ…!!」って思うじゃないですか。そしたらまた石丸ジキルソロ、アンサンブルってどれだけ焦らすんだ。

▼とまぁ、これだけ焦らしてようやく登場の鹿賀ハイド。濱めぐ姐さんと「罪な遊戯」です。
タキシードと白ドレスで歌っているのにエロス全開なのはさすが。濱めぐさんは石丸版のルーシーなので、鹿賀ハイド&濱めぐルーシーの「罪な遊戯」はここだけの限定バージョンです。
ここで鹿賀クラスタはめろめろになっていたようですが、私はもっと観たいものがあるのです!
そう、鹿賀さんによるジキルとハイドの「対決」!! 確実に私の人生を変えたものをまた生で拝めるとは!!!
これも鹿賀さん、ばっちり決めた髪型に黒タキシードで、何のセットもない中、赤の青のライティングの中で歌うのですが、もう研究室の中で髪を振り乱して戦うジキルとハイドにしか見えないのです。
ほあああああああああああ!!!!!!!(※言葉にならない感動)
歌い終わった瞬間、舞台中央に直立し、下を向いた鹿賀さんを残して、ゆっくりと幕が下りて1幕終了。
ああ、本当にこの1曲のためにS席11500円払ったと言っても過言ではないわ。

▼全員白と黒の衣装だった1幕と変わって、2幕は各人カラーのお衣装。鹿賀さんは茶色です。
1幕の対決で若干お腹いっぱい気味の私、2幕もいろいろ楽しかったんですが、鹿賀シラノの幸せそうな笑顔が印象的な「ベルジュラックの夏」以外の記憶がちと薄い。
作品は観たことないけど『ゴールド〜カミーユロダン』でこじらせ芸術青年ロダンを演じる石丸さんがやたら似合ってるなぁ、喋ってるときはあんなに爽やか系イケメンなのになぁと不思議がって、『アリス・イン・ワンダーランド』のマッドハッターの濱めぐの男前っぷりに改めて感心して。

▼あ、鹿賀さんのトークの諦めっぷりはすごかった。辛うじてクリスマスコンサートの告知は忘れなかったけど、みんなが「たった3公演で終わりなんてもったいない、もっとやりたい」と言う中、1人「このくらいでちょうどいい」って言ったり、感想の大トリを振られて、「ありがとうございました!」の一言だったり。(MCの万里生くんがびっくりしちゃってたじゃないですか)
クリスマスのショーのトークはどうするのかしら。

▼『アリス・イン・ワンダーランド』の未来に向かう明るい感じのフィナーレ曲をみんなで歌って大団円かと思いきや、最後に鹿賀さんを1人舞台に残して他のみんなは退場。
そして鹿賀シラノによる「アローン」
まぁ、1幕が鹿賀ジキハイの「対決」で終わったのと対の演出でこうなったのかな。ちょっとびっくり。

▼カーテンコールでは、フランク本人も登場。
こんなに日本に来ているのに日本語が全然話せなくてごめんなさいと言っていましたが、相変わらず聴きとりやすい綺麗な英語です。
鹿賀さんがジキハイを聴いて「これを日本でやりたい!」と言ったのがフランクと日本の出会いで、『スカーレット・ピンパーネル』を日本で上演したいと言われて日本に来たら主役を演じるのが女性(これが安蘭さんとの出会い)でびっくりしたとか、各人とのエピソードを語りつつ、万里生くんをウサギと呼んだりと、わりとボリュームたっぷりのトークが繰り広げられて、みんなで挨拶して、終了。

▼あああ、お腹いっぱい、楽しかったぁ。
と同時に、それぞれの作品を観たくなったり。鹿賀ジキハイは作品として上演することはないでしょうけど、コンサートとかでもっとやってほしいなぁ。シラノとアリスは熱烈再演希望。
もちろん、シラノは鹿賀さんで、アリスのジャックは禅さんで。

▼というか、鹿賀さんの40周年で、市村さんとの絡みが無いってどういうことでしょう。
ぺテ詐欺は〜?ラカージュは〜?