初夏にFROZEN

▼世の中のアナ雪フィーバーから遅れること1クール以上,真夏を目の前にして「アナと雪の女王」を見に行くことに。
新宿のシネコンでも今週末から1日1回上映になることに気づき,慌ててスケジュール確認。

▼字幕と吹き替えどちらを先に見るか悩んだ末に,1日で新宿の用事を済ませたいこともあって,吹き替え→字幕に決断。(どの映画館も,吹き替えは午前上映,字幕は午後上映)
…と思って吹き替え版開始30分前に映画館に着いたら,完売情報が出ていて唖然。3時間後に始まるも残り10席を切る勢いです。ひええええええ。

▼予定外のスケジュール変更で,のんびりお昼を食べて買い物を先に済ませて,いざアナ雪(字幕)。
これだけ世の中が騒ぐ中,なかなか見に行かず,でも行くつもりだからネタばれは避けたい!という不条理なことを言って,Youtubeも見ず,できるだけ情報を遮断した結果,事前に知っていた情報は以下の通り。
・エルサ(姉)=雪の女王,と,妹のアナの話。
・エルサは物を凍らせる能力がある。それゆえに引きこもり。
・両親はびっくりするくらいあっさり死んでしまう。
・エルサのせいで国が凍っている。
・エルサは自分で氷の城をつくった。
・エルサに命を吹きこまれた雪だるまがいる。
・裏切る人間がいる。
・身を引く男がいる。
・男女愛ではなく姉妹愛の話。(特に長女は号泣必至。)
この状態で見てみました。

▼ちなみに見に行く前日,びっくりするくらい純粋素直な課長代理が,「アナ雪はストーリーが読めたからそこまで面白くなかった。あの王子が裏切るって最初にわかっちゃったもん。」とドヤ顔で言っていましたが,そんなこと言ったら『美女と野獣』なんてオープニングのナレーションでその後の展開が全部わかります。
ディズニーに求めるものを間違っているし,ドヤ顔をするなら『眠れる森の美女』ではなくせめて『マレフィセント』(ちょうど今週末公開)のストーリーを当てるくらいのことをしてからにしてほしいところ。

▼というわけでディズニーに何を求めるかの話ではありませんが,やはり音楽がどれも良いし,たくさんあるし,ミュージカル好きとしては楽しい。
画も演出も上手いし,さすがディズニーという作品ですね。
私はLet it goの前(水面にエルサが踏み出して走り出した瞬間)から泣いていたし,Let it goの時は言うまでもなく泣いていたわけですが,末子の私ですらこれだから,これ姉妹の長女が見たら本当にツボなんだろうなぁ。
ちなみに後半のクリストフがアナを城に送っていって扉がバターンとしまったあたりからもずっと泣いていました。クリストフは,ディズニープリンセスの相手役としては,野獣くらい好きなキャラです。相棒のスヴェンもまたいい。

▼国王夫婦が,噂で聞いて想像していた以上にさくっとお亡くなりになったこと(死亡フラグから1分経っていないのでは)と,Let it goが思っていたより早い段階での歌だったにはびっくりしました。
オラフを見て,こういうキャラの使い方も本当にディズニーだよね〜上手いよね〜としみじみ。
アナを連れていったときのトロールの歌(さらっと悪びれずに「婚約者と別れさせればいい!」)には笑ってしまいました。

美女と野獣でも改めて思ったことですが,「普通の人間とは違うすごい何か」が人々の前に現れたとき,その場でいちばん声の大きい人間が最初に「神だ!」「奇跡だ!」と叫ぶか,「化け物だ!」「呪いだ!」と叫ぶかで,たぶんまったくその後が変わるよなぁと。
なので,最後にエルサが人々にさくっと受け入れられているのを見たときに,一度は化け物として怯えられ,国もがっつり冬にして大損害を与えたエルサがえらいあっさり受け入れられたなぁなどと思ってしまいました。
その能力を有効活用してガンガン国益を出した後ならわかるのですが,まぁそこはさくっと飛ばしてハッピーエンドでいいのか。
ではどうすればエルサの能力でいちばん国益が出るかなど考えるとそれはそれで楽しそうですが,野暮なことを考え始めるとキリはないし,ディズニーはそこをつっこむものではないしということで。
(部屋でDVD見ながら友人とつっこんだりするのは楽しいかもですが)

▼ストーリーはいろいろ解釈するとこれまたいくらでもできそうですが、愛で能力を制御できる的な結末から考えると、
エルサの能力がどんどんコントロールできなくなったのは、成長以上に、アナから能力の記憶を消したことが大きそうだなぁと。
結局、エルサにとってあの能力を持っていて唯一のプラスだったのは
アナを楽しませて2人で幸せに過ごすことができるということくらいだったのに、それが奪われて、人を傷つけるかもしれないというマイナスだけのものになってしまったという。
結局、みんなから隠そうとしなければここまでひどいことにならなかったのではというのが身も蓋もない感想その1。
エルサの結婚相手は責任重大だなというのがその2。

▼というのが字幕版を見ての感想。
明日の朝はちゃんと吹き替え版を見られるようにと前売りチケットを買いにいったら,半分以上がすでに埋まっていて,というか残り20席を切る勢いで,ぎゃふん。
こりゃ当日の朝じゃ無理だわ,と驚きつつ購入。

▼翌朝,悠々と映画館へ。入場口付近で待っていたら,すでに周りでは小さい女の子が
「ありのーままのー」「雪だるまつくーろー」「Do you wanna build a snowman?」とそれぞれ好きな歌を跳ねながら歌っていて,上映中は大丈夫なんだろうかとちょっと不安に。

▼しかし,いざ始まるとみんな静かでした。まぁあの歌を前にすると飲まれるというか聴き入ってしまうというか。
お松さんも神田沙也加も,噂以上の見事さでした。お松さんファンが「違うんだー!お松さんの実力はあんなもんじゃないんだー!!」と叫んでいるのはもちろんそうなのですが。お松さんの生の「ありのままの」を劇場で聴いてみたいなぁ。
予想外だったのは,ラストでアナの身体が凍ってしまいそうなときに「アナがー!アナが死んじゃううー!!」と泣いている女の子がいたことでしょうか。そこか,そこで泣くのか。

▼その他,字幕と吹き替えを見比べるといろいろ楽しい。
訳詞はもちろんですが,冒頭のタイトル表示や,雪山で入ったお店の店名がこうなるのかぁというのもあるし,字幕版ではバンバン出てきた「呪い」や「化け物」という言葉がきれいになくなっていたのもとても興味深かったです。
でも,「婚約者と別れさせればいい」はいいのかぁ。

▼そんなこんなで吹き替え版も楽しんで終了。
映画館を出て30秒ほど歩いたら,書店に「アナと雪の女王 7月16日発売」と書いてあってびっくりしました。
そうか,映画館上映が終わる前に発売されるのか。すごい。